内山昂輝さんは1990年8月16日生まれの声優で、埼玉県出身です。3歳という幼さで劇団ひまわりに入団し、10歳の時に映画『A.I.』の日本語吹き替えで声優デビューを果たしました。その後、『キングダム ハーツII』のロクサス役で注目を集め、声優としてのキャリアをスタートさせています。
内山さんの声質は、透明感がありながらもどこか影を感じさせるミステリアスな魅力を持っています。この独特の声質と長年培われた確かな演技力により、年齢や性別を問わず多くのファンを魅了しています。特に冷静でクールなキャラクターから、複雑な感情を抱える繊細な役まで、幅広い演技が可能な点が高く評価されています。
2010年度には第5回声優アワード新人男優賞を受賞し、2015年には東京アニメアワードでアニメ オブ ザ イヤー声優賞を獲得するなど、その実力は業界からも認められています。現在は劇団ひまわりに所属し、アニメやゲーム、吹き替えなど多方面で活躍しています。
身長177cm、体重52kgという細身の体型も、彼の声質と相まって独特の存在感を放っています。デビューから現在に至るまで、常に進化し続ける演技力で視聴者を魅了し続けている声優の一人です。
内山昂輝さんが演じたキャラクターの中で、特に人気の高いものをランキング形式でご紹介します。2025年に実施されたマイナビニュース会員212人へのアンケート結果によると、以下のようなランキングとなっています。
美しい容姿と残忍な性格のギャップが魅力的な鬼。内山さんの透明感のある声が、累の妖艶さを見事に表現しています。
冷静沈着で毒舌家の高校生バレーボール選手。クールな性格と成長していく姿が、多くのファンの心を掴んでいます。
宇宙世紀を舞台にした物語の主人公。内向的な性格から成長していく姿を内山さんが繊細に演じ、多くのファンが「この役で内山昂輝を知った」と回答しています。
呪術高専の2年生で、独特の言い回しが特徴的なキャラクター。内山さんの演技が狗巻の個性を引き立てています。
人気アイドルの子どもとして生まれ変わった少年。複雑な感情を抱えるキャラクターを見事に演じています。
これらのキャラクターは、内山さんの声質と演技力が存分に活かされた役柄ばかりです。特に上位3位のキャラクターは、それぞれ冷酷な美少年、皮肉屋で毒舌家な高校生、内向的な雰囲気が漂う主人公と、演じ分けの幅広さを感じさせます。
内山昂輝さんの代表作とされるアニメ作品とキャラクターについて、より詳しく見ていきましょう。
『機動戦士ガンダムUC』バナージ・リンクス
『機動戦士ガンダム』から続く宇宙世紀を舞台にした物語の新章の主人公。工業スペースコロニー"インダストリアル7"にある学校に通う学生で、謎の少女オードリー・バーンとの出会いをきっかけに"ラプラスの箱"を巡る事件に巻き込まれていきます。内山さんは内気な少年から成長していく姿を見事に演じ切り、「歴代のガンダム主人公に負けない魅力的な少年役」と高い評価を得ています。
『ハイキュー!!』月島蛍
烏野高校バレーボール部に所属する1年生ミドルブロッカー。冷静な判断力と高い身長を活かしたブロックが武器で、皮肉屋で毒舌家な性格が特徴的です。内山さんは月島の冷静さと、徐々に情熱を見せていく成長過程を絶妙な演技で表現しています。
『キングダム ハーツ シリーズ』ロクサス、ヴェントゥス
内山さんのブレイクのきっかけとなった作品。ロクサスは主人公ソラのノーバディ(影)として生まれた存在で、複雑な感情を抱えるキャラクター。ヴェントゥスは『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』に登場するキーブレード使い。両キャラクターとも内山さんの繊細な演技が光る役柄です。
『僕のヒーローアカデミア』死柄木弔
敵組織「敵<ヴィラン>連合」のリーダー。触れたものを崩壊させる個性「崩壊」の持ち主で、ヒーロー社会への強い憎悪を抱いています。内山さんは死柄木の狂気と悲しみが入り混じった複雑な感情を見事に表現しています。
『ユーリ!!! on ICE』ユーリ・プリセツキー
ロシア出身の天才フィギュアスケーター。15歳ながら高い実力を持ち、傲慢な態度と繊細な内面のギャップが魅力的なキャラクター。内山さんはユーリの成長と感情の変化を丁寧に演じています。
これらの作品は、内山さんの声優としての幅広い表現力を示す代表作と言えるでしょう。
2025年3月現在、内山昂輝さんは多くの人気作品で活躍しています。最新の出演作品と役柄をご紹介します。
『氷属性男子とクールな同僚女子』冴島くん
クールな性格の主人公を演じる内山さん。彼の透明感のある声質が、作品の雰囲気にぴったりとマッチしています。
『呪術廻戦』狗巻棘
人気シリーズの続編でも引き続き狗巻棘役を演じています。独特の言い回しと真面目な性格のキャラクターを、内山さんならではの演技で魅力的に表現しています。
『東京リベンジャーズ』天竺
時間遡行能力を持つ主人公が、未来を変えるために奮闘するストーリーに登場するキャラクターを演じています。
『ホリミヤ』宮村伊澄
学校では地味だが、外では派手なピアスをしている二面性を持つ高校生役。内山さんは宮村の複雑な内面を繊細に表現しています。
『ドラゴンボールDAIMA』グロリオ
2025年のアンケートでは5位にランクインした新しい役柄。内山さんのファンからは「新しい一面が見られる役柄」として注目されています。
また、2024年から2025年にかけては、『メガトン級ムサシ シーズン2』の雨宮零士役や『アオアシ』の桐木曜一役など、スポーツアニメでの活躍も目立ちます。さらに、『ダンス・ダンス・ダンスール』の森流鶯役など、ダンスをテーマにした作品にも出演しており、多様なジャンルで内山さんの演技を楽しむことができます。
最新作では、これまでのクールなイメージとは異なる明るい性格のキャラクターも増えており、内山さんの演技の幅がさらに広がっていることが感じられます。
内山昂輝さんの演技の特徴と、彼がどのように役作りをしているのかについて探ってみましょう。
内山さんの演技スタイルの最大の特徴は、キャラクターの内面に深く入り込む繊細さです。特に複雑な感情を抱えるキャラクターを演じる際、その微妙な感情の揺れ動きを声のトーンや間の取り方で表現する技術は、多くの監督やファンから高く評価されています。
例えば、『HUNTER×HUNTER』のメルエムを演じた際には、キメラアント編終盤のメルエムとコムギのシーンで感動的な演技を披露し、多くの視聴者が涙したというエピソードがあります。このような感情表現の豊かさは、内山さんの大きな魅力の一つです。
また、内山さんは役作りにおいて、キャラクターの背景や心情を深く理解することを重視していると言われています。『機動戦士ガンダムUC』のバナージ役を演じる際には、宇宙世紀の歴史背景を徹底的に学び、キャラクターの置かれた状況を自分のものとして捉える努力をしたそうです。
さらに、内山さんは声優としてのキャリアを積む中で、徐々に演技の幅を広げてきました。デビュー当初はクールなキャラクターが多かったものの、『ニセコイ』の一条楽や『ホリミヤ』の宮村伊澄など、より感情表現が豊かなキャラクターも演じるようになり、その演技力の高さを証明しています。
内山さんの演技に対するアプローチは、「キャラクターに寄り添う」というものです。役柄に合わせて声質や話し方を変えるだけでなく、キャラクターの心情や成長過程を丁寧に表現することで、視聴者に強い印象を残しています。このような姿勢が、「他の人の声は考えられない」「はまり役だった」という評価につながっているのでしょう。
声優としての技術面では、声のトーンコントロールの幅広さと、感情の機微を表現する繊細さが特筆されます。クールな役から感情豊かな役まで、幅広いキャラクターを演じ分ける技術は、長年の経験と努力の賜物と言えるでしょう。
内山さんは自身の演技について「キャラクターの魅力を最大限に引き出すことを心がけている」と語っており、その姿勢が多くの名キャラクターを生み出す原動力となっています。
以上のように、内山昂輝さんは単に声質が魅力的なだけでなく、キャラクターへの深い理解と繊細な感情表現によって、多くの視聴者の心を掴む演技を披露しています。今後も新たな役柄に挑戦し続ける内山さんの活躍に、引き続き注目していきたいところです。