古賀葵さんのブレイクのきっかけとなった作品といえば、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の四宮かぐや役でしょう。2019年に放送されたこのアニメで主演を務め、一躍注目を集めました。
四宮かぐやは名家の令嬢でありながら、恋愛に関しては初心者という複雑なキャラクター。古賀さんはかぐやの多面的な性格を見事に表現しています。特に「脳内裁判」のシーンでは、「氷かぐや」「アホかぐや」「幼かぐや」など様々な側面を演じ分け、その演技力の高さを証明しました。
ファンからは「古賀葵さんの地声とは全く逆の雰囲気を持つ声でありながら、かぐやの喜怒哀楽や複雑な感情表現が素晴らしい」という評価を得ています。この役での活躍が認められ、2020年3月には第14回声優アワードで主演女優賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
また、同作のインターネットラジオ『告RADIO ROAD TO 2020』では小原好美さんとともにパーソナリティを務め、第6回アニラジアワード「BEST FEMALE RADIO 最優秀女性ラジオ賞」も受賞しています。さらに興味深いことに、実写映画版の『かぐや様は告らせたい』にも「古賀葵」という名前の映画館スタッフ役として出演し、実写映画デビューも果たしています。
2023年から2024年にかけて放送された『ひろがるスカイ!プリキュア』では、エルちゃん/プリンセス・エル/キュアマジェスティ役を演じました。このキャラクターは、赤ちゃんの姿と少し大人びた姿に変身するという特徴を持っています。
古賀葵さんは、幼い赤ちゃんの声と、変身後の凛々しさを感じさせる声の演じ分けを見事に表現。特に変身後のキュアマジェスティとしての威厳ある声は、「古賀葵さんにしか表現できない」と多くのファンから高い評価を受けています。
2024年3月には映画『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』にもエルちゃん/プリンセス・エル/キュアマジェスティ役で出演し、プリキュアファンからの支持を集めました。
プリキュアシリーズは長い歴史を持つ人気作品であり、古賀さんがその一員として活躍したことは、声優としてのキャリアにおいても重要なマイルストーンとなりました。エルちゃんの無邪気さと、キュアマジェスティの気高さを同時に表現する古賀さんの演技は、彼女の演技の幅広さを示す好例といえるでしょう。
『プリンセス・プリンシパル』のアンジェ役は、古賀葵さんの演技力が特に際立った役柄の一つです。この役は元々今村彩夏さんが担当していましたが、途中から古賀さんが引き継ぐという難しい状況でした。
しかし、古賀さんは前任の今村さんの声質や演技を研究し、「交代したことを微塵も感じさせない」と評価されるほど見事に役を引き継ぎました。アンジェはクールな天才スパイでありながら、親友であるプリンセスの前では柔らかい表情を見せるというギャップのあるキャラクター。古賀さんはそのギャップを絶妙に表現し、作品の世界観を損なうことなく、むしろ深みを加える演技を披露しました。
特に『Princess Principal Crown Handler』シリーズでは、アンジェの成長や内面の変化も丁寧に表現。役を引き継ぐという難しい状況にもかかわらず、キャラクターの本質を捉えた演技で多くのファンを魅了しました。
声優として難しいとされる「引き継ぎ役」を見事にこなした古賀さんの実力は、この作品を通じて広く認知されることとなりました。
『ぼくたちのリメイク』の志野亜貴(シノアキ)役では、古賀葵さんの新たな一面が見られました。この作品でのシノアキは福岡県出身という設定で、佐賀県出身の古賀さんは故郷に近い博多弁で演技を披露しています。
シノアキはおっとりした性格で絵を描くことが好きなキャラクター。元々は「秋島シノ」としてイラストレーターで活動していましたが、主人公の橋場恭也がタイムスリップした世界では、共同生活を送る「チームきたやま」の一員として活躍します。また、物語の中では恭也との間に娘を授けるなど、時間軸によって様々な姿を見せるキャラクターです。
古賀さんは方言演技に加え、シノアキの優しさや芯の強さ、そして時間軸によって変化する人物像を繊細に表現。特に佐賀県出身である古賀さん自身のバックグラウンドを活かした博多弁の演技は、キャラクターに自然な親しみやすさを与えています。
方言演技は難易度が高いとされていますが、古賀さんは自身の出身地の強みを活かし、シノアキというキャラクターをより立体的に表現することに成功しました。これは彼女の演技の幅広さを示す重要な作品となっています。
古賀葵さんは主役級のキャラクターだけでなく、印象的な脇役も多く演じています。例えば『大室家』の高崎みさきは、わかりやすいツンデレキャラクターながら、古賀さんの「飛びっきりとっても可愛い演技」が高く評価されています。
また、『とある科学の一方通行』のナル役では、普段の優しいイメージとは対照的な「殺意ある演技」を披露し、「声優さんの演技に初めて感動した」というファンの声も。『魔法少女にあこがれて』の阿良河キウィ/レオパルト役や、『でこぼこ魔女の親子事情』のアリッサ役なども、古賀さんの演技の幅広さを示す好例です。
特にアリッサ役では、「女性キャラが全力でツッコミしててこんなに笑ったアニメは正直初めて」と評されるほどのコメディセンスを発揮。基本的に優しいお母さんでありながら、激しめのツッコミでも相手を思いやる気持ちが伝わる演技は、古賀さんならではの繊細な表現力によるものでしょう。
2017年には『つうかあ』の宮田ゆり役で田中あいみさんとのダブル主演を務め、古賀さん自身が「初主演作品」と位置づけているこの作品も、彼女のキャリアにおいて重要な一作となっています。
『古見さんは、コミュ症です。』の古見硝子役や『天使の3P!』の金城そら役など、個性的なキャラクターを数多く演じてきた古賀さん。主役だけでなく脇役でも光る演技は、彼女の声優としての実力と多様性を証明しています。
古賀葵さんは2017年の『つうかあ』での初主演から、わずか数年で声優業界の第一線で活躍するようになりました。2019年の『かぐや様は告らせたい』でブレイクし、2020年には声優アワード主演女優賞を受賞するという急成長を遂げています。
彼女の演技の特徴は、何といっても幅広いキャラクター表現力でしょう。クールな四宮かぐやから、幼いエルちゃんと凛々しいキュアマジェスティの二面性、方言を操るシノアキ、引き継ぎ役のアンジェなど、様々なキャラクターを説得力を持って演じ分けています。
また、2020年4月からはTOKYO FMにて『羽多野渉と古賀葵 コエ×コエ』のパーソナリティも務めており、声優としてだけでなくラジオパーソナリティとしても活躍の場を広げています。
今後も新たな作品への出演が期待される古賀さん。その演技の幅広さと表現力の高さから、さらに多様なキャラクターを演じることで、声優としての新たな一面を見せてくれることでしょう。特に方言演技や感情表現の繊細さなど、彼女ならではの強みを活かした役柄での活躍が楽しみです。
声優としてのキャリアをスタートしてから着実に実力を磨き、多くのファンを魅了してきた古賀葵さん。これからも彼女の声で命を吹き込まれるキャラクターたちに、私たちは心を動かされ続けることでしょう。
作品名 | キャラクター名 | 放送/発売年 |
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かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ | 四宮かぐや | 2019年~ |
ひろがるスカイ!プリキュア | エルちゃん/プリンセス・エル/キュアマジェスティ | 2023年~2024年 |
プリンセス・プリンシパル | アンジェ | 2017年~ |
ぼくたちのリメイク | 志野亜貴 | 2021年 |
つうかあ | 宮田ゆり | 2017年 |
古見さんは、コミュ症です。 | 古見硝子 | 2021年~ |
ヘブンバーンズレッド | 國見タマ | 2022年~ |
古賀葵さんは、わずか数年の間に多くの人気キャラクターを演じ、声優業界で確固たる地位を築いてきました。クールな役からコミカルな役まで、幅広い演技力で多くのファンを魅了し続けています。彼女の声で命を吹き込まれたキャラクターたちは、それぞれの作品で鮮やかに輝き、視聴者の心に深く刻まれています。
今後も新たな作品での活躍が期待される古賀葵さん。彼女の声が紡ぎ出す物語の数々に、これからも注目していきたいですね。