小山剛志さんは1999年に放送された「∀ガンダム」でフィル・アッカマン役を演じ、声優としてデビューしました。この作品は富野由悠季監督によるガンダムシリーズの一つで、小山さんにとって重要なスタート地点となりました。
デビュー後、2000年代初頭には「ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル」のクレメンテ役や「HUNTER×HUNTER(第1作)」のジョネス役など、様々な作品に出演。特に「名探偵コナン」では三谷陽太役として長期にわたり出演し、知名度を上げていきました。
2002年には「OVERMANキングゲイナー」でエンゲ・ガム役を演じ、独特の世界観を持つ作品で存在感を示しました。この頃から徐々に主要キャラクターを担当する機会が増え、声優としてのキャリアを確立していきました。
初期の頃から低めの渋い声質を活かしたキャラクター造形が特徴的で、クールな印象を与える役柄が多かったのも特筆すべき点です。デビュー作の「∀ガンダム」から、小山さんの声優としての才能は高く評価されていました。
小山剛志さんの代表作として特に人気を博したのが「うたわれるもの」シリーズのクロウ役です。2006年の第1作から2022年の「うたわれるもの 二人の白皇」まで、長きにわたりこのキャラクターを演じ続けています。クロウは冷静沈着な戦士であり、小山さんの渋い声質がキャラクターの魅力を一層引き立てました。
「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」シリーズでは、ギュンター役を担当。この作品は2019年から複数シーズンにわたって放送され、小山さんの演じるギュンターは主人公マインを支える重要な役どころとして人気を集めています。
「境界線上のホライゾン」シリーズではガリレオ役、「ヨルムンガンド」シリーズでは師匠役と、複数シーズンにわたる作品でも継続して同じキャラクターを演じています。これらの役柄は小山さんの安定した演技力と、キャラクターへの深い理解があってこそ実現したものと言えるでしょう。
また、「MAJOR」シリーズではヒルベルト・サンチェス役として、特に第5シーズンで重要な役割を果たしました。スポーツアニメにおける外国人キャラクターの演技も小山さんの得意とするところです。
小山剛志さんは数々の人気長編アニメにも出演しています。特に注目すべきは「BLEACH」シリーズでの活躍です。「BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-」ではジェラルド・ヴァルキリー役を演じ、その後の「BLEACH 千年血戦篇 相剋譚」でも同キャラクターを続投。強大な敵キャラクターとして印象的な演技を披露しました。
「ONE PIECE」では複数のキャラクターを担当しており、ハイルディン役、バスティーユ役、ホールデム役など様々な役柄を演じ分けています。世界的人気を誇るこの作品で複数のキャラクターを演じられるのは、小山さんの演技の幅広さを示すものと言えるでしょう。
「名探偵コナン」では2000年から2021年まで、三谷陽太役や菅田克信役など、長期にわたって様々なキャラクターを担当。日本を代表する長寿アニメでの継続的な出演は、小山さんの声優としての安定した実力を証明しています。
さらに「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」ではスポーツ・マックス役を演じ、独特の世界観を持つ「ジョジョ」シリーズでも存在感を示しました。これらの人気長編アニメへの出演は、小山さんのキャリアにおいて重要な位置を占めています。
小山剛志さんはアニメだけでなく、数多くのゲーム作品でも声優として活躍しています。特に注目すべきは「サイバーパンク2077」でのタケムラ役です。このゲームは世界的な話題を呼んだ作品で、小山さんの演じるタケムラは日本人キャラクターとして重要な役割を担っています。
「グランブルーファンタジー」ではシャナムカ役、「英雄伝説 黎の軌跡」ではアリオッチ役、「ドラガリアロスト」ではシンゲン役など、人気ゲームタイトルに多数出演。特に「モンスターハンターライズ:サンブレイク」では提督ガレアス役として、ゲームの世界観を盛り上げています。
「鬼ノ哭ク邦」のクシ役、「東京放課後サモナーズ」のオズ役、「メギド72」のハック役など、様々なジャンルのゲームで活躍。ゲーム特有の演技スタイルにも柔軟に対応し、キャラクターに命を吹き込んでいます。
また、「ダイイングライト2 ステイ ヒューマン」のワルツ役や「Starfield」のサム・コー役など、海外ゲームの吹き替えも担当。国内外問わず、ゲーム業界でも確固たる地位を築いています。
小山剛志さんの演技スタイルの特徴は、何と言っても低めの渋い声質を活かした表現力の高さにあります。クールで知的なキャラクターから、強面の敵キャラクター、時には優しさを秘めた大人の男性まで、幅広い役柄を演じ分けることができます。
特筆すべきは長期シリーズでのキャラクター造形の深さです。「うたわれるもの」シリーズのクロウや「本好きの下剋上」のギュンターなど、複数シーズンにわたって同じキャラクターを演じる際に、キャラクターの成長や変化を声の演技だけで表現する技術は見事です。
また、外国人キャラクターの演技も得意としており、「MAJOR」のサンチェスや「BLEACH」のジェラルド・ヴァルキリーなど、日本人離れした雰囲気のキャラクターも違和感なく演じ切ります。
今後の出演予定作品としては、「BLEACH 千年血戦篇」シリーズの続編や「陰の実力者になりたくて!」シリーズでのジャガノート役の続投が期待されています。また、「本好きの下剋上」シリーズも人気が高く、新シーズンが制作された際にはギュンター役での出演が予想されます。
小山さんは1967年生まれで、声優としてのキャリアはまだまだ円熟期を迎えています。今後も様々な作品で彼の演技を楽しむことができるでしょう。長年の経験を活かした深みのある演技は、新たなキャラクターにも独特の魅力を与えることでしょう。
小山剛志さんの声優としての魅力は、単に声質だけでなく、キャラクターへの深い理解と表現力にあります。今後も様々な作品で彼の演技に注目していきたいものです。