小野友樹さんの代表作として最も知られているのが、『黒子のバスケ』の火神大我役です。アメリカから帰国した熱血バスケットマンの火神は、小野さんの力強い声質と熱のこもった演技が見事にマッチしたキャラクターとして多くのファンに愛されています。
火神大我の特徴は、その圧倒的な身体能力と「勝ちたい」という純粋な情熱です。小野さんは火神の激しい試合シーンでの叫びから、チームメイトとの会話での少年らしい一面まで、幅広い感情表現を見事に演じ分けています。特に黒子との絆が深まっていくストーリー展開では、徐々に変化していく火神の心情を繊細に表現しており、キャラクターの成長を声の演技だけで感じ取ることができます。
多くのファンが「火神の声がかっこよすぎる」と評価しており、小野友樹さんにとっても重要な代表作となっています。火神役での演技は、後の熱血キャラクターの出演にもつながる転機となりました。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の主人公・東方仗助も、小野友樹さんの代表キャラクターとして高い人気を誇ります。仗助は普段は温厚な高校生ですが、髪型を侮辱されると激昂するという特徴的な性格を持っています。
小野さんは、仗助の「グレート」という決め台詞や、スタンド「クレイジー・ダイヤモンド」を使った戦闘シーンでの熱のこもった演技が特に印象的です。普段の高校生らしい明るさと、バトルシーンでの緊迫感のある演技の切り替えが見事で、多くのファンから絶賛されています。
特に第2話で祖父が亡くなった際の「俺がこの街とお袋を守りますよ」というシーンや、ラストバトルでの泣き笑いのセリフなど、感情の機微を繊細に表現した演技は、小野さんの演技力の高さを示すものとなっています。仗助役での演技により、小野友樹さんの声優としての幅広い表現力が広く認知されるようになりました。
BLアニメ『抱かれたい男1位に脅されています。』(通称:だかいち)での東谷准太役も、小野友樹さんの代表作として多くのファンに愛されています。東谷准太は、俳優としては一流でありながら、プライベートでは素直になれない複雑な性格を持つキャラクターです。
小野さんは、東谷の表と裏の顔を見事に演じ分け、特に相手役の高人気俳優・佐々木宗介(演:鈴木達央)との絡みシーンでは、恋愛感情と葛藤が入り混じった繊細な感情表現を披露しています。普段のクールな態度から一転、感情が高ぶった時の声の揺れや、弱さを見せる瞬間の儚さなど、キャラクターの多面性を声だけで表現する技術は、小野さんの声優としての実力を如実に示しています。
この作品での演技により、小野友樹さんはBL作品ファンからも高い支持を得るようになり、声優としての活躍の幅をさらに広げることになりました。
サンリオ発のメディアミックスプロジェクト『SHOW BY ROCK!!』でのジョウ役も、小野友樹さんの代表キャラクターの一つです。ジョウはバンド「ARCAREAFACT」のギタリスト兼ボーカルを務める猫系キャラクターで、クールな外見とは裏腹に熱い心を持っています。
小野さんは、ジョウの歌唱シーンでもその実力を発揮しており、ロックテイストの楽曲を力強く歌い上げる姿は多くのファンを魅了しています。特にバンドメンバーとの絆を大切にするジョウの優しさと、音楽への情熱を両立させた演技は、小野さんならではの表現力が光る部分です。
『SHOW BY ROCK!!』は音楽要素が強い作品であり、小野友樹さんは声優としての演技だけでなく、歌唱力も高く評価されています。この作品での活躍は、小野さんがアーティスト活動を行う上でも重要な経験となりました。
2023年10月から放送されたアニメ『カリスマ』での伊藤ふみや役も、小野友樹さんの新たな代表作として注目を集めています。伊藤ふみやは感情の起伏が少なく、真意が読めない謎めいたキャラクターで、小野さんのダウナーで深みのある演技が絶妙にマッチしています。
小野さんは、淡々とした口調のまま視聴者に緊張感を抱かせる演技で、「このキャラには何かがある」と思わせる深みのある表現を実現しています。これまでの熱血キャラクターとは一線を画す役柄であり、小野友樹さんの演技の幅広さを改めて示す作品となりました。
特に「このキャラクターは小野友樹さんにしか演じられない」という声も多く、小野さんの声優としての確固たる地位を証明する役となっています。感情の機微を抑えた演技の中にも遊び心を忍ばせる表現は、小野さんの声優としての成熟を感じさせます。
小野友樹さんが演じたキャラクターは多岐にわたります。『あんさんぶるスターズ!』の大神晃牙は、ロックで力強い歌声と口が悪いながらも根は真面目で仲間思いな性格を小野さんが見事に表現しています。『ブルーロック』の國神錬介では、筋肉キャラで真面目な雰囲気を低音ボイスで再現し、キャラクターの魅力を引き出しています。
また、『BEASTARS』のルイ役では、表面的な硬さや冷たさだけでなく、内に秘めた優しさや弱さ、それを覆い隠すための虚勢までもが伝わる繊細な演技を披露。『ブレイクマイケース』の御門尊では、女性然とした口調や振る舞いという新たな一面を見せ、演技の幅広さを証明しています。
小野友樹さんの特徴は、熱血キャラクターから冷静沈着なキャラクター、コミカルな役まで幅広く演じ分ける演技力と、キャラクターの内面まで表現する繊細さです。また、歌唱力も高く評価されており、キャラクターソングやユニット曲でもその実力を発揮しています。
小野友樹さんの演技の最大の魅力は、キャラクターの内面や感情の機微を繊細に表現する技術にあります。熱血キャラクターでは力強さと情熱を、クールなキャラクターでは落ち着きと知性を、それぞれ声のトーンや抑揚を巧みに操ることで表現しています。
特に感情の切り替えが上手く、普段の穏やかな会話から一転、バトルシーンや感情が高ぶるシーンでの迫力ある演技への変化は、小野さんの声優としての高い技術を示しています。また、キャラクターの年齢や背景に合わせた声色の使い分けも見事で、10代の少年から20代の青年まで幅広く演じ分けています。
小野さんの声は低めでありながらも柔らかさがあり、聞き手に安心感を与える特徴があります。そのため、熱血キャラクターだけでなく、優しさや思いやりを持ったキャラクターの演技も説得力があります。また、コミカルな演技も得意で、『銀魂』の徳川茂茂のようなギャグキャラクターも見事に演じています。
声優としてのキャリアを重ねるごとに演技の幅を広げ、常に新しい挑戦を続ける姿勢も、小野友樹さんの魅力の一つと言えるでしょう。
小野友樹さんには、声優活動以外にも興味深い特技や裏話があります。特筆すべきは、ハイパーヨーヨーのプロライセンスを保有していることです。この特技は、アニメ『Saint October』(2007年)で活かされました。打ち合わせでヨーヨーを披露したことがきっかけとなり、小野さんが演じたキャラクター「ヨシュア」の武器にヨーヨーが採用されたという逸話があります。
また、トレーディングカードゲーム「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム」の熱心なプレイヤーとしても知られています。興味深いことに、アニメ『遊☆戯☆王5D's』で自身が演じたキャラクター「鬼柳京介」が使用していたデッキを実際に組み、大会で優勝した経験もあるという実力者です。
小野さんは大学時代、早稲田大学スポーツ科学部に在籍していたことも意外な一面です。声優になる前はスポーツに打ち込んでいた経験が、熱血キャラクターの演技に活かされているのかもしれません。
また、ファンや声優仲間からは「おのゆー」「おのちゃん」「おのぴん」「おのまる」など様々な愛称で親しまれており、フレンドリーな人柄も魅力の一つです。イベントやラジオでは「いじられキャラ」として親しまれることも多く、そのギャップも人気の理由となっています。
2025年現在、小野友樹さんは引き続き多くの作品で活躍しています。最新作としては、『ブレイクマイケース』の御門尊役や『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-』のキサラギ役などが注目を集めています。特に『BLOODY ESCAPE』では、生きる理由もないが死にたいわけでもないという人間なら誰しも抱える感情を自然な演技で表現し、クライマックスでの山寺宏一さんとの演技の掛け合いが見どころとなっています。
また、長年演じているキャラクターの続編作品にも引き続き出演しており、ファンからの支持を集め続けています。『あんさんぶるスターズ!』の大神晃牙や『ブルーロック』の國神錬介など、人気シリーズのキャラクターを継続して演じることで、キャラクターの成長とともに小野さんの演技も進化しています。
小野友樹さんは声優としての活動だけでなく、アーティスト活動も行っており、2015年から個人名義での音楽活動を展開しています。声優とアーティストの両面で活躍する小野さんの今後の展開にも注目が集まっています。
フリーランスとして活動する小野友樹さんは、これからも様々なキャラクターを演じることで、さらに演技の幅を広げていくことでしょう。熱血キャラクターからクールなキャラクター、コミカルな役まで幅広く演じる小野さんの今後の活躍に、多くのファンが期待を寄せています。