金澤まいは1993年1月19日生まれ、埼玉県秩父市出身の女性声優です。アクセント所属で、アクセント附属養成所シャイン15期生として声優キャリアをスタートさせました。彼女の声優としての道のりは一般的なものとは少し異なっています。
小学4年生の頃に母親の勧めで子役事務所に所属していましたが、小学校卒業後にタレント活動から一度離れています。その後、埼玉県立秩父高等学校に進学し、並行して声優養成所に通い始めました。専門学校のタレント学科を経て、2013年に芸能事務所に所属し、本格的な声優活動をスタートさせました。
プロフィール情報:
金澤まいの声優としての大きな転機となったのは、2016年4月から放送されたアニメ『三者三葉』で小田切双葉役を演じたことです。これが彼女にとって初めての主役となり、「テレビから私の声が聞こえてくる事で親孝行ができるのでうれしい」と語っています。
また、彼女はアルバイトで巫女を務めた経験があり、その経験が特技にも表れています。2022年4月1日には結婚を発表し、プライベートでも新たなステージに進んでいます。
金澤まいの声優キャリアにおける最初の代表作となったのが、2016年放送のアニメ『三者三葉』での小田切双葉役です。この作品は、性格も家庭環境も異なる三人の女子高生が「葉」のつく名字という共通点をきっかけに友情を育んでいくストーリーです。
小田切双葉は作品の主要キャラクターの一人で、金澤まいにとって初めての主演キャラクターとなりました。双葉は「大食い」という特徴を持ち、常に食べ物のことを考えている食いしん坊な女子高生です。彼女の食べることへの情熱と純粋さが視聴者の心を掴み、金澤まいの声優としての才能を広く知らしめる役となりました。
『三者三葉』では、キャラクターソングも担当しており、「クローバー♣かくめーしょん」「スクールはいたっち!」などのオープニングテーマや、「とぅいんくる☆そんぐ!!」「満腹至上主義」などのキャラクターソングを歌っています。特に「満腹至上主義」は小田切双葉のキャラクター性をよく表した楽曲として、ファンから高い評価を得ています。
この作品での演技は、金澤まいの声優としての基盤を築くとともに、彼女の表現力の幅広さを示す重要な作品となりました。インタビューでは「中の人も大食い」と語っており、キャラクターとの親和性の高さも魅力の一つです。
『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』は、2020年から2021年にかけて放送されたショートアニメで、金澤まいは主要キャラクターの一人である松本ひで吉役を演じました。この作品は、犬と猫を同時に飼っている飼い主の日常を描いたほのぼのとした内容で、多くのペット愛好家から支持を得ています。
松本ひで吉は本作のメインキャラクターであり、金澤まいの代表作キャラクターの一つとして認識されています。彼女の演じる松本ひで吉は、飼い主の視点から犬と猫の違いや共通点、そして彼らとの生活の楽しさを視聴者に伝える重要な役割を担っています。
金澤まいは、このキャラクターを通じて日常的な会話や感情表現に焦点を当てた演技を披露し、より幅広い演技の幅を見せました。特に、ペットへの愛情や時に困惑する様子など、飼い主ならではの感情の機微を繊細に表現しています。
この作品は、短編アニメながらも多くの視聴者の心を掴み、金澤まいの声優としての認知度を更に高めることに貢献しました。また、ペットを飼っている視聴者からは「共感できる」という声も多く、リアルな飼い主の感情を上手く表現できたことが評価されています。
金澤まいが声を当てたアニメキャラクターは多岐にわたり、その演技スタイルも役柄に応じて柔軟に変化しています。ここでは、彼女が演じた主なキャラクターを一覧で紹介し、その演技の特徴を分析します。
【主要キャラクター】
金澤まいの演技の特徴として、役柄に応じた声色の使い分けが挙げられます。『三者三葉』の小田切双葉では元気で明るい少女を、『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』のエメラダでは異世界の少女の純粋さと不思議さを表現するなど、キャラクターの個性に合わせた演技を心がけています。
また、サブキャラクターや端役も多く担当しており、『地縛少年花子くん』シリーズでは「もっけC」「怪異」「生徒A」など、『放課後少年花子くん』でも同様の役を演じています。これらの経験が彼女の演技の幅を広げ、多様なキャラクターを演じる基盤となっています。
さらに、吹き替え作品でも活躍しており、映画『チャイルド・プレイ』ではアンディ役を担当するなど、洋画の吹き替えにも挑戦しています。このように、アニメだけでなく吹き替えの分野でも実力を発揮している点が、金澤まいの声優としての多才さを示しています。
近年人気の異世界アニメジャンルにおいても、金澤まいは複数の作品に出演しています。特に注目すべきは、2019年放送の『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』でのエメラダ役です。
エメラダは本作の重要なキャラクターの一人で、異世界の少女として描かれています。金澤まいは、このキャラクターを通じて異世界の住人特有の純粋さや驚き、そして現代から来た超人高校生たちとの交流を通じた成長を見事に表現しました。エメラダの魅力は、その素直さと好奇心旺盛な性格にあり、金澤まいの演技がキャラクターの魅力を一層引き立てています。
他にも、2023年放送の『この素晴らしい世界に爆焔を!』では「かいかい」役を、2024年放送の『異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。』では「鈴子」役を演じるなど、異世界系アニメでの出演も増えています。
これらの作品では、それぞれ異なる世界観やキャラクター性を持つ役柄を担当しており、金澤まいの演技の幅広さが伺えます。特に、異世界という設定ならではの驚きや戸惑い、そして新しい世界での冒険心などを表現する場面では、彼女の演技力が光ります。
異世界アニメは現在のアニメ業界で非常に人気のあるジャンルであり、このジャンルでの活躍は声優としてのキャリアにおいて重要な意味を持ちます。金澤まいは、こうした時代のトレンドにも柔軟に対応し、様々な作品で存在感を示しています。
金澤まいは2016年の『三者三葉』でのメインキャラクター出演を皮切りに、着実に声優としてのキャリアを積み重ねてきました。初期の頃と比較すると、演技の幅や表現力に明らかな成長が見られます。
彼女の声優としての成長は、出演作品の多様性からも読み取ることができます。初期はコメディ作品が中心でしたが、徐々にファンタジー、アクション、ドラマなど様々なジャンルの作品に出演するようになりました。2025年現在も『悪役令嬢転生おじさん』でヴィオレ・コルボー役を演じるなど、新たな挑戦を続けています。
金澤まいの演技の特徴として、キャラクターの内面に寄り添った自然な演技が挙げられます。特に日常系アニメでの演技は定評があり、視聴者に親しみやすさを感じさせる声質と演技スタイルが彼女の強みとなっています。
今後の活躍予測としては、これまでの経験を活かしたメインキャラクターの増加が期待されます。特に、『星降る王国のニナ』でのニィナ役やミーヴァ役など、ファンタジー作品での演技が評価されていることから、このジャンルでの活躍が更に広がる可能性があります。
また、吹き替え作品での実績も徐々に増えていることから、アニメだけでなく洋画や海外ドラマの吹き替えなど、活動の幅が更に広がることも予想されます。特に子役やティーン向けの役柄での吹き替えに定評があり、この分野での需要も高まるでしょう。
声優業界は常に新しい才能が登場する競争の激しい世界ですが、金澤まいはその中で独自の立ち位置を確立しつつあります。彼女の誠実な姿勢と演技への真摯な取り組みは、今後も多くの作品で彼女の声を聴きたいというファンの期待に応えていくことでしょう。