甲斐田裕子さんは2000年に声優デビューして以来、数多くの人気キャラクターを演じてきました。彼女の声は特にクールで知的な女性キャラクターや、芯の強いヒロイン役に定評があります。
代表的なアニメキャラクターをいくつかご紹介します:
これらのキャラクターは、甲斐田さんの冷静で知的な声質が活かされており、ファンからの支持も厚いキャラクターばかりです。特に「銀魂」の月詠や「機動戦士ガンダムUC」のマリーダ・クルスは、甲斐田さんの代表キャラクターとして広く認知されています。
甲斐田裕子さんは、中学時代に演劇部に入ったことがきっかけで芝居の面白さに目覚め、専門学校卒業前のオーディションで賢プロダクションに合格しました。2000年に海外ドラマ『シナリオライターは君だ!』の吹き替えでデビューし、その後2001年には『ジーンシャフト』のソフィア役で初のレギュラーを獲得しています。
当初は外国映画の吹き替えを志望していた甲斐田さんですが、2003年の『一騎当千』で呂蒙子明を演じたことをきっかけに、アニメへの出演が増えていきました。2005年『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』の生駒祐未役、2007年『怪物王女』のリザ・ワイルドマン役、2009年『大正野球娘。』の月映巴役、2011年『TIGER&BUNNY』のアニエス・ジュベール役など、次々とメインキャラクターを演じ、勝ち気な女性やクールな大人の演技で人気を獲得していきました。
また、甲斐田さんはシェイクスピアが好きということもあり、舞台女優としても積極的に活動しています。『ハムレット』や『ヴェローナの二紳士』といったシェイクスピア作品にも出演し、声優としてだけでなく舞台女優としての実力も高く評価されています。
2019年には第13回声優アワードにて外国映画・ドラマ賞を受賞し、声優としての実力が改めて認められました。現在も吹き替えをメインに活動しながら、アニメやゲームなど幅広いジャンルで活躍を続けています。
甲斐田裕子さんはアニメだけでなく、多数のゲームキャラクターも演じています。その中でも特に人気の高いキャラクターをご紹介します。
クレア・レッドフィールド(バイオハザードシリーズ)
「バイオハザード」シリーズのメインキャラクターの一人であるクレア・レッドフィールドを長年担当しています。興味深いエピソードとして、甲斐田さん自身はテレビゲームが得意ではなく、『バイオハザード: インフィニット ダークネス』の取材のために『バイオハザード リベレーションズ2』と『バイオハザード RE:2』をプレイし直した際、序盤で死んでしまったり、コントローラーの操作がおぼつかなかったりしたと語っています。また、長期間にわたって様々な年代のクレアを演じているため、年齢感の調節が大変だったとも述べています。
まつ(戦国BASARAシリーズ)
「戦国BASARA」シリーズでは伊達政宗の側近「まつ」役を演じており、ファンからの人気も高いキャラクターです。2023年1月に行われたアンケートでは「甲斐田裕子さんが演じるキャラといえば?」の第9位に選ばれています。
新島冴(ペルソナ5)
「ペルソナ5」では主人公の仲間である新島真の姉・新島冴を演じています。クールで知的な検事という役柄は、甲斐田さんの声質にぴったりとマッチしており、同アンケートでは第17位にランクインしています。
その他にも、「ドラゴンクエストヒーローズ」のルイーダ役や「トゥームレイダー」のララ・クロフト役など、国内外の人気ゲームタイトルのキャラクターを多数演じています。甲斐田さんの落ち着いた声質と演技力は、ゲームキャラクターの魅力を引き出す上でも大きな強みとなっています。
甲斐田裕子さんは声優デビュー当初から外国映画の吹き替えを志望しており、現在もその分野で豊富なキャリアを持っています。特に、アン・ハサウェイ、ブレイク・ライヴリー、ガル・ガドット、レイチェル・ワイズなど、多くのハリウッド女優の吹き替えを担当しています。
特に思い入れのある役者として、『ゴシップガール』などのブレイク・ライヴリーを挙げており、長年にわたって彼女の吹き替えを担当しています。また、「ワンダーウーマン」シリーズではガル・ガドット演じるダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン役を担当し、女性が主役のヒーロー映画の吹き替えを務めたことは、甲斐田さんのキャリアの頂点の一つとファンからも評価されています。
2019年には第13回声優アワードにて外国映画・ドラマ賞を受賞し、吹き替え声優としての実力が高く評価されました。甲斐田さんの落ち着いた声質と演技力は、ハリウッド女優の演技を日本語で伝える上で大きな強みとなっています。
吹き替えを担当した主な作品:
甲斐田さんの吹き替え声優としての活躍は、アニメやゲームの声優としての活動と並行して、彼女のキャリアの重要な柱となっています。
プロの声優として活躍する甲斐田裕子さんですが、ファンにあまり知られていない意外な一面やエピソードもいくつか存在します。
ドラゴンボール愛好家
甲斐田さんは『ドラゴンボール』の大ファンで、台詞やエピソードを聞けば「何巻の話だね!」と即答できるほど作品を読み込んでいたそうです。中学生の時に偶々見ていたテレビアニメ『ドラゴンボールZ』で孫悟空役の野沢雅子の演技を通して、エンディングで「声の出演 野沢雅子」という表示を目にして初めて「声優」という職業を認識したというエピソードもあります。
少女時代の夢は漫画家
意外にも、甲斐田さんの少女時代に憧れていた職業は漫画家だったそうです。高校進学時には漠然と「大学に行って母になるんだろう」と思っていたといいます。中学時代に廃部寸前だった演劇部に友人に誘われて「名前だけでも貸してよ」と言われて入部したことが、後の声優としてのキャリアにつながる最初のきっかけとなりました。
先輩と呼ばれる後輩
甲斐田さんは一部の声優から「先輩」と呼ばれています。井上喜久子さんが命名者で、川澄綾子さんや花澤香菜さんからも「先輩」と呼ばれていますが、実は井上さんと川澄さんは年齢も声優としてのキャリアも甲斐田さんより上なのです。また、『銀魂』原作者の空知英秋からは出演イベントの手紙で「かいーだ」と呼ばれていたというエピソードもあります。
結婚している
甲斐田さんは劇団シェイクスピア・シアター所属の舞台俳優・平澤智之さんと結婚しています。シェイクスピア好きという共通点があり、舞台女優としても活動する甲斐田さんとの間に芸術的な共感もあるのでしょう。
ゲームが苦手
「バイオハザード」シリーズのクレア・レッドフィールドを長年演じていますが、実はテレビゲームはあまり得意ではないそうです。取材のためにゲームをプレイし直した際も、序盤から死んでしまったり、コントローラーの操作がおぼつかなかったりしたと述べています。
これらのエピソードは、プロフェッショナルな声優としての一面だけでなく、甲斐田裕子さんの人間味あふれる魅力を伝えてくれます。
以上、甲斐田裕子さんの代表キャラクターや出演作品、そして知られざる一面までご紹介しました。クールで知的な声質と幅広い演技力で多くのファンを魅了し続ける甲斐田さんの今後の活躍にも、引き続き注目していきたいですね。