京(かなぐり)は、週刊少年ジャンプで2020年から連載中の人気漫画「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」に登場する個性的なキャラクターです。身長188cmと長身で、その外見は一目で映画好きだと分かるような特徴的な装いをしています。
頭には映写機の形の剃り込みがあり、首にはフィルム柄のマフラーを巻いています。これらの装飾は彼の映画への異常なまでの愛着を表しています。また、片手には常にハンディーカメラを持ち歩き、いつでも映画を撮影できる態勢を整えています。
京の表の顔は有名な映画監督であり、「この世の全ては映画のためにある」という信念を持っています。彼の映画への情熱は並々ならぬもので、作中でも常に映画のことを第一に考えて行動しています。
プロフィールデータ:
京の存在は実は物語の早い段階から示唆されており、第2巻13話(DAYS13 レンタルビデオ)で既に「監督KANAGURI・M」という名前が登場していました。この時点で彼が殺し屋の情報を映画にして売っていたことが後の展開で明らかになります。
京の性格を一言で表すなら「映画狂」と言えるでしょう。彼の思考と行動は全て映画を中心に回っており、その執着心は常識の範疇を超えています。
彼の映画への愛は尋常ではなく、「面白い映画を撮れるなら何でもする」という行動原理を持っています。例えば、映画の見どころ(突然のアクシデント)を作るために実際に飛行機を空中爆破したり、感動的なシーンを撮影するために人を殺すことさえためらいません。
京の異常性を示すエピソードとして、佐藤田悦子を殺害した際に、赤尾昌が悲しむ表情を見て「殺して大正解だったッッ、おかげでこんな良い表情を引き出せた」と喜んだことが挙げられます。また、「赤尾リオンの死に際を撮れなかったことが悔しくてたまらなかった」とも発言しています。
彼の映画に対する考え方も独特で、続編を撮らず「たった1話140分に魂を凝縮するからこそ美しさがある」と考えています。この信念は絶対的なもので、映画を侮辱した勢羽真冬を殺そうとしたこともあります。
京の行動は自己中心的で常識外れですが、その映画への情熱は純粋なものであり、彼なりの美学があります。彼にとって映画は単なる趣味や仕事ではなく、生きる意味そのものなのです。
一見すると映画監督という文民的な職業に見える京ですが、実は作中でも上位クラスの戦闘能力を持っています。彼自身は「殺しの技術も武器もない」と言っていますが、その映画技術を戦闘に応用した独自の戦い方は非常に強力です。
京の戦闘スタイルの特徴:
京の戦闘能力の高さは、その戦績からも明らかです。JCCの教師である佐藤田悦子を倒しています。佐藤田は若い頃超武闘派で合気道の達人と言われ、ORDERからスカウトされるほどの実力者でした。さらに、痩せた状態の坂本太郎とも互角に渡り合う場面があります。
京の戦闘中の特徴として、相手を煽るテクニックも高いレベルにあります。坂本との戦いでは「娘が死の危機に晒されないとやる気が出ないか?」などと発言し、相手の精神を攪乱させようとしています。
このように、京は映画監督としての技術を戦闘に応用した独自のスタイルを持ち、それが彼の強さの源泉となっています。
京とORDER(殺し屋専門の殺し屋組織)の関係は複雑です。彼がORDERに加入した経緯には意外な過去が隠されています。
京は元々ORDERのメンバーと親しい友人関係にありました。その友人とはフラフープをするほど仲が良かったのですが、「最高の映画とは何か」という議論で激しく揉め、喧嘩の末にその友人を殺してしまいました。その後、贖罪の意を込めて空いた席を引き継ぐ形でORDERに加入したのです。
しかし、京はORDERに所属しながらも、敵対組織であるスラー一派に協力していました。JCCのデータバンクを狙った襲撃の際に、スラー一派のクラブ・ジャムと共に行動していたことが発覚し、正式にORDERからの除名が決定されました。
興味深いことに、ORDERのメンバーである大佛からは以前から嫌われており、「早く辞めてほしい」と言われていたようです。これは京の自由奔放な行動や、ORDERの情報を映画にして売っていたことが関係していると考えられます。
現在の京は完全にスラー一派に協力する立場となっていますが、その目的はあくまで「赤尾昌を主演とする殺連とスラーの対立映画を撮ること」であり、スラーの思想に共感しているわけではありません。彼はどこまでも映画のことだけを考えて行動しているのです。
このように、京はORDERの裏切り者として描かれていますが、彼の行動原理は常に「最高の映画を撮ること」であり、組織への忠誠や裏切りという概念自体が彼の中では二次的なものに過ぎないのです。
京の過去については、作中で断片的に明かされています。彼は幼い頃から映画に強い興味を持ち、その美しさに魅了されていきました。映画への情熱は年々強くなり、やがて彼の人生そのものになっていったのです。
映画監督としての京は、一般社会でも相当な評価を得ているようです。彼の映画は芸術性が高く、多くのファンを持っていると推測されます。しかし、その裏では殺し屋の情報を映画化して売るという闇の商売も行っていました。
原作第13話に登場する「レンタルビデオ屋」では、京が監督した映画が情報源として売られています。坂本たちはそこで敵対組織「どんでん会」についての映画を購入しましたが、そのクレジットには「監督:KANAGURI・M」「配給:murder films」と記されていました。
この「殺し屋の情報を映画にして流す」という行為は、後に佐藤田悦子から「殺し屋の情報を映画にして流してる不届き者はあなただったのね」と指摘されています。京は殺し屋の世界と映画の世界を独自の方法で融合させ、両方の分野で活動していたのです。
京の映画に対する考え方は非常に純粋かつ極端です。彼は「続編を撮らない」という信念を持ち、「たった1話140分に魂を凝縮するからこそ美しさがある」と考えています。この考え方は、彼の映画に対する真摯な姿勢を表しているとも言えるでしょう。
また、京は映画の撮影のためなら何でもする人物です。実際の飛行機を爆破するなど、リアルな映像を追求するためには常識や倫理を超えた行動も辞さないのです。
現在のストーリー展開において、京はスラー一派に協力する立場にありますが、その目的はあくまで「赤尾昌を主演とする殺連とスラーの対立映画を撮ること」です。彼は赤尾昌と共にスラーの元へ向かっていますが、物語の展開次第では坂本太郎やORDER側につく可能性も十分にあります。
京の存在は物語において重要な役割を果たしています。彼は単なる敵キャラクターではなく、独自の価値観と目的を持った複雑な人物として描かれています。その行動は予測不可能であり、今後のストーリー展開に大きな影響を与える可能性があります。
特に注目すべきは、京が「映画のためなら何でもする」という行動原理を持っていることです。これは彼が状況に応じて敵味方を変える可能性を示唆しています。最高の映画が撮れるのであれば、スラーを裏切ることも十分にあり得るでしょう。
また、京とORDERの過去の関係性も今後の展開に影響を与える可能性があります。彼がORDERに加入した経緯には友人の死という悲劇があり、その「贖罪」の意識が今後の行動に影響を与えるかもしれません。
京のキャラクター人気も見逃せない要素です。第1回公式人気投票では第20位(523票)、第2回では第31位(326票)と、決して上位ではないものの、一定のファンを持つキャラクターとして認識されています。今後の活躍次第では、さらに人気が上昇する可能性もあるでしょう。
サカモトデイズの物語は現在も進行中であり、京の今後の展開にも注目が集まります。彼の映画への情熱と独特の価値観が、物語にどのような影響を与えていくのか、読者の期待は高まるばかりです。
京が登場する名シーンは多数ありますが、特に印象的なものをいくつか紹介します。
JCCを襲撃した際、戦闘中に坂本太郎によって大切なカメラを壊されてしまいます。自身の命よりも大事にしていたカメラを壊された京は、これまでにないほど怒り狂いました。このシーンは彼の映画への異常な執着を象徴しています。
JCC編入試験で試験監督として登場した京は、自身の映画を面白くするためだけに乗っていた飛行機を爆破します。このシーンは京が「映画に命を懸ける」人物であることを如実に表しています。
JCCの教師である佐藤田悦子との戦いは、京の戦闘能力の高さを示す重要なシーンです。年老いてもなお強さを持つ佐藤田を、右目をつぶされながらも倒した京の実力が証明されました。
痩せた状態の坂本太郎と互角に渡り合うシーンも印象的です。カチンコで坂本の腹部を切るなど、映画の道具を武器として巧みに使用する京の戦闘スタイルが見どころとなっています。
読者からの京に対する評価は様々です。その独特の価値観と行動原理から「狂気的だが魅力的」と評価する声がある一方で、「残忍すぎる」という批判的な意見もあります。しかし、キャラクターとしての完成度は高く、物語に深みを与える重要な存在として認識されています。
公式人気投票での結果を見ると、第1回では第20位(523票/投票総数71,357票)、第2回では第31位(326票/投票総数154,552票)と、決して上位ではないものの、一定のファン層を獲得していることがわかります。
京のキャラクターの魅力は、その「純粋さ」にあるとも言えます。彼は映画のために生きており、その情熱は狂気的なまでに純粋です。そのような一途さが、読者の心を捉えているのでしょう。
また、京が登場する単行本は7巻からで、特に11巻89話でその活躍を見ることができます。サカモトデイズのファンなら、ぜひこれらの巻を読んで京の魅力を堪能してみてください。