サイモン・バークリーは、「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」(通称:エパリダ)に登場する重要キャラクターです。冒険都市フィニスを拠点とするAランクパーティ「サンダーパイク」のリーダーを務め、職業は騎士です。
外見は美形で、一見すると理想的なリーダー像を体現しているように見えますが、その内面は大きく異なります。物事を自分の都合のいいように解釈し、他者の諫言に耳を貸さない問題児としての一面を持っています。この性格は、主人公ユーク・フェルディオによると田舎暮らしの頃からのものでしたが、都会に出て成功を収めてからはさらに悪化したとされています。
アニメでの声優は中島ヨシキさんが担当し、少年時代は田中貴子さんが演じています。中島さんは第3弾キャストインタビューでサンダーパイクについての印象や、作品・キャラクターへの思いを語っており、サイモン役への理解の深さが伺えます。
サンダーパイクは、エパリダの物語の発端となる重要なパーティです。そのメンバー構成は以下の通りです:
サンダーパイクは男女バランスが取れており、攻撃と援護のできる理想的な編成となっています。特にユークのサポート能力があれば、どんな難しいクエストもこなせる強力なパーティでした。しかし、サイモンを始めとするメンバーはユークの貢献を当然のものと考え、彼を適切に評価せず冷遇し続けました。
この不当な扱いが、ユークのパーティ離脱という物語の出発点となっています。サンダーパイクはユークが抜けた後、徐々に実力不足を露呈していくことになります。
サイモンとユークは幼馴染という設定ですが、その関係性は複雑です。二人は同じ田舎出身で、共に冒険者として都会に出てきましたが、その後の道のりは大きく異なりました。
サイモンはユークの持つ優れたサポート能力を理解せず、「モンスターを一撃で倒せない」「新人に無能と言われる」など、彼の貢献を過小評価し続けました。ユークがパーティ離脱を申し出た際も、上から目線で受け入れるなど、友人としての配慮は見られませんでした。
峯田大夢さん(ユーク役)は、インタビューで「注目のキャラクターはサイモン」と語り、「原作では悪役のイメージが強いですが、彼なりの考えがあって行動しているんです」と、その複雑な人物像に言及しています。
サイモンとユークの確執は、物語が進むにつれて深まっていきます。特に、ユークが新たに結成したパーティ「クローバー」が成功を収めるようになると、サイモンはそれを逆恨みするようになり、さらに関係は悪化していきます。
2025年3月1日に放送される第8話「かつて友であったもの」では、サイモン・バークリーに関する重要な展開が待っています。予告によれば、「サンダーパイク」に囚われていたクローバー一行が脱出した後、サンダーパイクのメンバーであるジェミーがユークに対して強い後悔の念を持っていたことが明らかになります。
ジェミーを助けるためにユークたちが「無色の闇」に再突入すると、そこには「予想だにしない相手」が待ち構えているとされています。この「予想だにしない相手」とは、原作やコミカライズ版の展開から推測すると、アンデッド化したサイモンである可能性が高いです。
原作では、サイモンはオルクス(巨人種の魔物)に襲われた際、死亡直前に違法魔法道具を使用してアンデッド化し、ジェミー救出のために再突入したクローバーと対峙します。アニメ版では、自分だけ助かりたいあまり、仲間を見捨てたり、レインを人質に取るなど、原作以上の卑劣さを見せるシーンが描かれる予定です。
この展開は、サイモンというキャラクターの闇の深さを視聴者に強く印象づけるものとなるでしょう。
サイモン・バークリーというキャラクターは、単なる「悪役」として描かれているわけではありません。彼の行動や考え方には、現実社会にも通じる心理的要素が含まれています。
まず、サイモンの自己中心的な性格は、成功体験による傲慢さから生まれています。Aランクという高い評価を得たことで、自分の能力を過大評価し、チームの一員であるユークの貢献を適切に評価できなくなっていました。これは、組織内での「功績の帰属錯誤」という心理現象に似ています。
また、クローバーの成功を逆恨みする姿は、自分の失敗を認められない「認知的不協和」の表れとも言えるでしょう。自分たちの非を認めず、ユークを呼び戻そうとする行動は、責任転嫁の典型例です。
視聴者にとって、サイモンは「反面教師」としての役割を果たしています。彼の行動を通じて、チームワークの重要性や、他者の貢献を適切に評価することの大切さを学ぶことができます。また、彼の末路は、自己中心的な行動がもたらす悲惨な結果を象徴しており、視聴者に強い印象を与えるでしょう。
サイモンというキャラクターは、視聴者に「自分は周囲の人をきちんと評価できているだろうか」と自問させる機会を提供しているのです。このような複雑な悪役の存在が、エパリダという作品の深みを増していると言えるでしょう。
第8話以降のサイモン・バークリーの展開については、原作やコミカライズ版から予想することができます。アンデッド化したサイモンは、ユークたちクローバーのメンバーと激しい戦いを繰り広げることになるでしょう。
原作では、最終的にユークの「プリズムミックミサイル」を受けて動けなくなったサイモンは、「影の人(シャドウストーカー)」に襲われ、「永遠に毒で苦しみつつ生きながらに喰われ続ける」という、死よりも悲惨な末路を迎えます。アニメ版でもこの展開が描かれるのか、あるいは何らかの変更が加えられるのかは、視聴者にとって大きな注目点となるでしょう。
また、3月2日には「第2部放送直前特番」が配信される予定で、第10話から始まる第2部に向けての情報が公開されます。第2部では、サイモンの影響がどのようにユークたちの冒険に影響していくのか、新たな展開が期待されます。
ABEMAでは3月1日と2日に第1話〜第7話の一挙放送も予定されており、第8話放送前に物語を振り返る絶好の機会となっています。サイモンとユークの関係性や、サンダーパイクでの出来事を改めて確認することで、第8話の衝撃的な展開をより深く理解することができるでしょう。
エパリダは2025年2月に原作小説が完結したばかりの作品ですが、アニメ版ではどこまでの内容が描かれるのか、サイモン・バークリーというキャラクターの全貌がどのように明らかになっていくのか、今後の展開から目が離せません。
サイモン・バークリー役を演じる中島ヨシキさんは、その演技力で複雑なキャラクターに命を吹き込んでいます。中島さんは、サイモンの表面的な美形で高圧的な態度と、内面の歪んだ感情を見事に表現し、視聴者に強い印象を与えています。
特に注目すべきは、3月1日に公開される第3弾キャストインタビューです。中島ヨシキさんとバリー役の世界さん(EXILE/FANTASTICS)が、サンダーパイクについての印象や作品・キャラクターへの思いを語っています。このインタビューでは、サイモンというキャラクターをどのように解釈し、演じているのかという貴重な情報が得られるでしょう。
また、3月1日の「エパリダ 元教え子たちのラジオ ~最深情報、お届けします~」第9回目には、中島ヨシキさんがゲストとして出演予定です。ラジオでは、アフレコ現場でのエピソードや、サイモン役を演じる上での苦労、キャラクターへの思いなどが語られるかもしれません。
中島ヨシキさんの演技は、サイモンの複雑な心理を表現する上で非常に重要な要素となっています。特に第8話では、アンデッド化したサイモンの狂気と絶望を、どのように演じるのかが見どころとなるでしょう。原作ファンも、アニメならではの演出と中島さんの演技によって、新たなサイモン像を発見できるかもしれません。
声優の演技を通じて、文字だけでは伝わりにくいキャラクターの感情や心理状態がより鮮明に伝わってくるのは、アニメ版の大きな魅力の一つです。サイモン・バークリーという複雑なキャラクターを、中島ヨシキさんがどのように演じきるのか、今後の展開に注目です。